こんにちは。都筑区の放課後等デイサービスFORTUNAです。
今年の教室も今日を含めて仕事納めまで残り2日となりました。2024年も事故や怪我がなく安全に最後まで頑張って療育していこうと思います。
さて、来年の4月から新1年生になってFORTUNAに来てくれるお友だちもたくさんいます。皆さんご存じだと思いますが、童謡に「1年生になったら」というのがあります。しかし、世の中が激変し、ともだち100人出来るかな?と期待に胸を膨らませて、幼稚園や保育園から学校に上がってくるよりもプレッシャーで学校に行きたくないという子どももいるそうです。子どもたちにとっても辛い世の中になってしまいました。
小学生という時期は、子どもの成長にとって非常に重要であることは再三述べてきました。
今回は、小学校元教諭の経験から、小学校が「子どもたちの発達」についてどう捉えており どのように目標や狙いを設定していくかを、一般的な児童における小学生期において必要なソーシャルスキルをもとに簡単に説明していくことにします。
低学年期の子どもにおいては、幼児期の名残から自分の考えや思いを自分の物差しのみで一方的に主張すること(思い込みも含む)がよくあります。しかし、次第に親しい人の考えや思いを推測しだします。(相手の気持ちになって考える)ただ、低学年時は見たまま、見えたままで判断するため、相手の内面までの深読みは出来ません。(嬉しい様子をみて、純粋に嬉しいんだなと判断してしまう)中学年から高学年に上がるにつれて、相手への思い、相手からの思い、本音と建て前といったものがあることに気づいてくるのです。
規則や道徳においては、小学生になったばかりの子どもは大人の真似をして規則どおりにふるまおうとします。「いけない」「だめ」と言うことに対しては、基本守ろうとします。(横断歩道は手を挙げて渡る、赤信号は絶対に止まるなど)学年が下なほど、頑なに守ろうとします。その反面、他の人に対しての気持ちや理由に考えが及ぶことはまだできません。しかし、友だちや他の人たちとの関わりを持つ中で、次第に対人関係に社会的な意味合いを感じるようになり、「大人の言うとおりにしなければ」から友だち同士との関係性に重きを置き始めてきます。
道徳的な判断でも、わざとイタズラをして他人に迷惑をかけるほうが、悪気がない失敗よりも悪いという判断する力も身についてきます。高学年になるとその考えは非常に顕著になり、それぞれの立場や必要性についても相談し合って、公平性について深く考えられるようになってきます。
感情の発達においては、個人差があるのですが、「嬉しい」や「悲しい」といった感情を表現するボキャブラリーは年齢とともに増えていきます。中学年になってくると、「嬉しいけれど不安」であるというような感情が相反する、「入り交じった気持ち」の存在に気づいてきます。
低学年においては、「怒る」という感情表現の傾向が強いですが、年齢が上がるにつれて「どうしてそうなったか」「なぜそうしようと思ったか」という動機や原因について、そのプロセスを全体から眺めるような感じを表現出来るようにもなってきます。
このように子どもたちは個から集団(他者との関わり方)へと意識を変え社会性を身につけていきます。そしてその重要な場所が学校なのです。ただ困り事のある子どもの中には、学校での生活が苦手な子どももいます。そうした場合は、社会性を育んでもらうためにも私たちのような教室で集団(小集団)を学んでもらうことが必要だと思います。
こうした児童期の発達の特徴をおおよそ掴んだ上で、各学年や年代における目標とするスキルの程度や狙いを設定することが望まれます。だから、その時期にあった、また必要なソーシャルスキルを学ばせ、その時期に適応させていくかが重要になってきます。
ソーシャルスキルやソーシャルスキルトレーニングについて簡単に言うことはなかなか難しく、何が基本あるいは基準かを正しく理解していないと正しい目標設定、療育の狙いを定めることが難しいのはご理解頂けたかと思います。
FORTUNAに来てくれている、また新しくきてくれるお友だちの中には、こうした発達において困り事がみられる子どももおられます。
私たちFORTUNAは、一般的な子どもの発達と困り事があるこどもたちの現在の発達において、基本的なことを理解しながら、困り事がある子の何が問題であり、どのように療育していくことがその子どもにとって良いのか、いろいろな刺激をどう入れながら療育していくのがよいかを職員間で考えて毎日のプログラム作成や普段の指導に当たっています。
前回のソーシャルスキルの説明において、保護者の方からご質問がありましたので、機会があれば、ソーシャルスキルについてもう少し説明していきたいと思います。
放課後等デイサービス FORTUNA